ラストエンペラー

「12ヶ月のシネマリレー」の上映作品の1つ「ラストエンペラー」を観に元町映画館へ。

監督:ベルナルド・ベルトルッチ、音楽:坂本龍一の一大叙事詩的映画です。一昔前はテレビでも頻繁(とはいえ、年末年始の深夜枠など)に放映されていて、何度も見ているような気がするのですが、よくよく考えると、最初から最後まで通しで見たことがないような…。3時間近い映画なので深夜に見ていると気が付いたら寝落ちしています。最初と最後の鈴虫のシーンはキッチリと覚えていますが、ところどころあやふやです。
真昼の映画館で観る機会を得たので準備万端で行こうと思っていましたが、前日の睡眠時間が4時間弱という少し条件の悪い状態に。しかし、映画館で観るとやはり寝ている暇がありません。

このスケールの大きさ、溥儀(ジョン・ローン)のラストシーン、坂本龍一の音楽、事実と創作の交錯。この作品を経て、何が真実なのかを調べたくなる動機の惹起。これぞ「エンターテインメントとしての映画」の姿ではないでしょうか。
撮影は紫禁城を数週間に渡り貸切っていたようで、今では考えられない規模です。一方で、中国国内ではそこまで大きな話題にならなかった、というのも考えさせられるところです。

「cricket」を鈴虫と訳していますが(翻訳者によるかも)、日本の「鈴虫」を想像してみていると、鈴虫どころか、コオロギを越えてキリギリス(クツワムシ?)が出てくるのにびっくりしますが、日本の鈴虫だと儚すぎて、紫禁城の椅子の下には似つかわしくないか。

紫禁城は観光地になっていますが、今でも鈴虫の入った香炉は玉座の下に置かれているのでしょうか。いつか観に行きたい宮殿です。