本の雑誌 2023年10月 アジフライ着陸号

もう、11月号が出て久しいですが、10月号の感想を。
11月号の編集後記で、奥付の巻数を間違えていたと書かれていましたが、おぉ、第49巻10号になってる。正しくは48巻10号。そろそろ50年が見えてきたなあ。

特集は「この人の本の紹介が好き!」
本の紹介といえば、新聞の書評欄がメジャーどころですが、インターネット黎明期には個人ホームページで、少し前はブログで、そして最近ではYoutuberが書評しているというのだから、一億総書評家時代です。それでも書店や図書館では新聞の書評欄を掲示板に張り出しているあたり、やはり紙媒体は強さであり正義なんでしょう。

それにしても今は書評家はジレンマを抱えながら書評をしているのではないでしょうか。本(に限らず、ですが)が売れないこの時代、「面白くない」など書いてしまっては、ますます売れません。とはいえ、面白くも何ともない本を面白いとは書けませんし、「薬にも毒にもならない本」と紹介すると誰も買ってくれず、でも実際に読後に頭が「???」でいっぱいになる本もあるしなあ。
薬にも毒にもならない本を、「どりゃ、そこまで言うならいっちょ読んでみるか」という余力がなくなって来ているのかと思うと、寂しいところです。

総花的な本屋が次々と閉店している中、セレクトショップのような本屋であったり、ブックカフェであったり、古本屋であったりと、今までとは異なる形態の書店の開店が続いているという現象もあり、どうも書籍業界も多様化(局所化? 先鋭化?)が進んでいるようです。

そのうち、厳しい書評のみを集めた書店ができたりして。それはそれで気になるなあ。
(客に罵声を浴びせるのがコンセプトの飲食店もあるくらいなのでね)