モノづくりに不可欠な要素

2021-11-24

モノづくりをするために欠かせない要素があります。それが、「4M」や「5M」といわれるものです。最近は、「5M+1E」、「6M」のように、どんどん要素が増えています。品質マネジメントシステム(ISO 9001)などでも取りざたされている要素ですが、すなわち、
 Man:人(作業者)
 Machine:設備(装置や工具)
 Method:方法、段取り
 Material:材料
 Measurement:測定、検査
 Money:お金
 Market:市場
 Management:マネジメント
 Environment:環境(温度や湿度)
の頭文字をとって「〇M+〇E」。まるで、「5W1H」みたいな略し方ですが、人に情報を伝えるのに必要な「Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)」という要素を、モノづくりに当てはめたら「〇M+〇E」になった、という感じです。

さて、モノづくりに必要不可欠な要素は、一般的にはMan、Machine、Method、Materialの4Mと言われています。

ただ、「いかにモノを作るか」というだけの視点で考えると、ぼくは「3M」(+1E)が基本になると考えています。Materialは設計者が仕様に応じて選定することが多いと思いますが、Man、Machine、Methodの「3M」が欠けると、とたんにモノ作りができなくなってしまいます。
プラモデルで例えると、「人」が「設備(ニッパーや接着剤)」を使って「方法(切ったり貼ったり)」しなくちゃ、いつまでたってもプラモデルは完成しないでしょ? 料理で考えてみても同じ。「人(料理人)」が「設備(包丁や鍋)」を使って「材料(食材)」を「方法(切ったり、煮たり)」しなくては、いつまでも食材のままです。

そして、この「Method:方法、段取り」を考えるのが生産技術の醍醐味なのです! 以前書いた「設計と製造の橋渡し役」というのがここなのですね!

とりあえず「3M」があればモノづくりはできますが、そこに効率なんかを考慮すると、「Machine:設備」という要素が食い込んできます。プラモデルであればどんなニッパーを使うのか、塗装時にどの太さの刷毛を使うのかによって、仕上がりに差がでます。料理であれば素手で料理するより、道具を使うほうが圧倒的に早くできますよね。また、同じ”切る”作業にしても、牛刀、出刃、柳刃など食材に応じて最適な包丁を選ぶことで効率よく調理できるようになります。

さらに効率化を目指そうとするなら、「Man:人」の適性の目利きと指導が必要となります。人によって得手、不得手がありますし、初めての作業者より熟練した作業者のほうが確実に作業ができます。

そこにEnvironmentを加えるのも面白いです。食品関係だと「その日の気温や湿度に合わせて、配合を変えています!」などのコダワリがいきてきますが、効率重視で考えると「常に同じ温度・気温であれば、同じ段取りでモノをつくることができる」という視点になってきますね。

とにもかくにも、「材料」と「方法」にあわせて、どのように「人」を育てて「設備」を使うと効率よく作業ができるかを考えるのが、生産技術の次のステップになってくるわけです。