付加製造技術
最近、「付加製造技術」という言葉を耳にします。書物や人によっては、「Additive製造技術」、「AM技術」、「Additive Manufacturing 技術」などなど、いろいろと言い方はあるようですが、一体ナニモノなのでしょうか。というわけで、ちょっと調べてみました。
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付加製造技術とは?
「Additive製造技術」、「AM技術」、「Additive Manufacturing 技術」など、いろいろな言い方をされていますが、日本語にすると「付加製造技術」。”製造技術”の前に”付加”が付加されている(!?)ことによる意味を考えると、
どんどん追加(付加)していく製造技術
であるだろうことは想像に難くありません。
一般的な組立品であれば、部品を付加(組み立て)していくことで最終的な製品になりますが、組み立てる前の「部品」レベルで考えるとどうなるでしょうか。
一般的な加工品
一般的な加工品を考えると、ある材料を、旋盤、フライス盤、ミーリング、切削、放電、レーザー・・・といった様々な加工機械を用いて、加工していきます。つまり材料の塊から部分部分を除去することでカタチを作っていく方法、つまり引き算的な思考といえますね。
”加工”と言っていますが、加えるのは作業の工程であって、材料を加えていくわけではないのですね。
付加製造技術を使った加工品
字の如く、付加製造なので、材料に材料を加えていく、足し算的な考え方になります。
例えば、3Dプリンターなどは、高さ方向に材料を積層していくことカタチを作っていきます。
いいところ
一般的な加工のように材料を削ってモノを作ると、削りカスが出てしまいます。削る部分が増えるほど、ゴミが増えてしまうわけです。そして、万一、削りすぎてしまうと、使い物にならなくなってしまいます。
ところが付加製造技術の場合は、材料を積層していくため、無駄が少なくなります。盛り過ぎた場合でも、削ることが可能で、使い物にならないということを防ぐことができます。
よくないところ
付加製造技術では材料を積層していくので、どうしても境界面のような部分ができてしまいます。しっかりとくっついているように見えても、境界面は他の部位に比べると脆弱になってしまいます。
プラモデルを作っていても、一見接着剤でしっかりとくっついているように見えても、そこから剥がれてきますしね…。
最後に
付加製造技術はまだまだ新しい製造技術です。
3Dプリンタの普及はまだまだ始まったばかりですが、樹脂材料の3Dプリンタの普及はずいぶんと進んでいて、試作品の形状確認や治具製造などで多く使われています。
金属材料や食品材料を使った3Dプリンタの開発も進んで、一部は実用化されつつあります。品質管理やトレーサビリティ、長期使用による品質の安定といった課題はありますが、「引き算」から「足し算」に変わっていく製造技術はこれからも目が離せないです。
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