PFAS問題

2023-05-20

フッ素(関係の素材)が手に入りにくい | まっつんぽっけ (mattsunpokke.com)

ベルギー政府が環境負荷を問題視し、3M社のPFAS(ピーファス。有機フッ素化合物)工場の操業中止を命令したのは記事の通りですが、その後、紆余曲折あり、3Mが支出をすることで環境を整えて操業再開にまでかこつけたような話もありました。ところが結果的には、「2025年末までにすべてのPFAS製造を終了する」というプレスリリースがなされたようです。
半導体需要の盛り上がりで各地に工場が作られようとしていますが、果たして半導体製造のキーとなるPFASが手に入るのか、PFASの代替材料が見つかるのか、とても気になります。建物ができあがっても、PFASが手に入らなければ、今のような生産を続けるのは難しいと思われます。箱だけあって中身がないという、史上最悪の投資に終わりかねません。

そんなPFAS事情に追い打ちをかけるニュースが飛び込んできました。
血液中のPFAS濃度が全国平均の3.4倍 東京・多摩7市の住民、水道水から摂取か:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
フッ素化合物は体に悪いというのは昔から言われていて、過去にも、フッ素加工されたフライパンを空焚きするとよくない、防水スプレーは体に悪い、消火剤にも含まれている、など石綿問題を彷彿とさせるような警告が多々ありましたが、フッ素の便利さを捨てられないからか、そこまでは大々的に報じられたことはないと思います。技術者の端くれとして、フッ素の有害性は十分に把握していますが、やはり便利さという呪縛からの完全解脱は難しく、現実問題としてフッ素加工のフライパンを使ったりしています。

ところがこのニュース。こぞって報道が始まるような気がします。
化学物質というものは、必ず「良い面」と「悪い面」があり、ちゃんと使えば「悪い面」の発現を制御することができるはずです。「悪い面」だけを一方的に報じることなく、また必要以上に怖がらず、十分・十二分に気を付けて取り扱うことの重要さが世間に広がればいいのですが…。

石綿、フッ素、クロムなど、危険と便利はいつも表裏一体です。