人形浄瑠璃

伝統芸能は、景気が良いときはもてはやされますが、緊縮財政になると途端に「芸術や文化は無駄だ、不要不急だ」と言われて補助金が削られます。そして、一度削られたが最後。資金不足→顧客開拓ができない→更に資金不足、と悪循環による衰退の一途を辿る傾向が高いです。
文化を失う = アイデンティティの喪失、などの論調もありますが、ありとあらゆる情報が「手に持った小さな箱に格納されている」現代においては、嗜好の多様化で一つ一つの文化が「広く薄く浅く」になってきているだけではないでしょうか。
伝統芸能や芸術はあくまでも文化であり、裾野の広い産業ではないので、費用対効果を求めるのは筋違いです。とはいえ、見境なく補助金頼りになって無駄な事業に公金を使い続ける、というのも本筋ではありません。
如何にして民衆の心を打つか、自然と裾野を広げるか、という点をこれからも考えなけれは、衰退あるのみです。

伝統芸能を幅広く知らしめるには、大衆に迎合するというのも考え方の一つです。言葉と文化は、常に時代とともにアップグレードされていくもので、「〇〇の時代は△△であった」のように記録と記憶を残しながら変わっていくことが大事です。

前置きが長くなりましたが、人形浄瑠璃を現代風にアップグレードしたものを見つけました。

能勢人形浄瑠璃鹿角座
Home – おおさかのてっぺん能勢PRキャラクターお浄&るりりん (ojyo-ruririn.com)

ビジュアルに衝撃を受けましたが、なるほど、NHKの三国志や、ひょっこりひょうたん島のような人形劇も、人形浄瑠璃をテレビ向けに発展させたものと言えると思いますし、萌えキャラを使うことも次代につなげる良いアップグレードです。

とまあ、堅い話になりましたが、温故知新。いつまでも古い堅い頭では発展を阻害するから、柔らかい思考を持たなくちゃ、という結論です。生産技術も然るべき。

(追記)
動向を気にしていたら目に付くもので、駅ポスターを見つけました。
これはなかなか好き嫌いを選びそうです。