岩塩? 海水塩?

前回の続き(?)。
食べる塩、食塩には大きく2種類あって、陸で採れる「岩塩」と、海で採れる「海水塩」があります。
と言いながら、「岩塩」も元は海だった場所が隆起などで陸地となり、残った塩分が結晶化して岩となったものなので、結局は海がなければ塩は採れない、というわけです。日本は海に囲まれた国なので、海水塩をベースにした精製方法が発達しましたが、世界的には海に囲まれた国は少なく、海から離れた場所でも採れる岩塩の方が一般的なのだとか。インドやネパール、チベットといった海から離れた山岳地帯でも人が生きていけるのは、そこに塩があるからです。

生きていくうえで不可欠な「塩」ですが、食を楽しむ「味わい」でも欠かすことができません。素材そのものの味もいいですが、やはり塩で味付けした方が食は進みます。
よく言われるのは、海水塩は魚、岩塩は肉に適している、ということです。食材はそれぞれの産地に合わせた方がより良い、ということなのだと思います。実際、細かな海水塩は水分の多い魚と相性がよさそうですし、岩塩の塊は肉にマッチしそうです。

ところがですね、ぼくの個人的な見解としては、魚には岩塩、肉には海水塩の方が適していると思うのです。
カツオのたたきにつける塩は岩塩をミルで砕いた塊のような塩の方が味わい深いですし、レアに焼いた肉には藻塩の方が味が染み込むように思います。
似たもの同士を書け合わせるよりも、遠く離れたもの同士を掛け合わせる方が、うまくいけば絶大な効果を生み出すのと同じですね。いわば「雑種強勢」。 ・・・?

セオリー通りもいいですが、ちょっと違う視点で食べ比べするのもいいと思います。美味しいですよ、岩塩*魚、海水塩*肉。